16日が、わの舞全国大会でした。東京、正確には神奈川に、およそ100人?集まりました。来れなかった方も多いから、わの舞人口はもっといるでしょうね。
そこで、素晴らしいものを見ました。
むらの発表、というのがあって、わの舞では全国各地に「むら」という、
地元の方たちでわの舞を舞いましょう、という集まりがあるのですが、
それは福岡合同むらの発表でした。
発表に用意されたのは、会場は広い柔道場だったのですけれども、
その真ん中で。
周りを囲むみんなの間から、まあ正確にはちょうど私の横から、
福岡合同むらのみなさんが一列になって、手をつないでわらべ歌を歌いながらの
登場でした。
そして円になって、あゆみの舞。
・・・その時、気がつきました。
目の見えない女性がいる。
かまちゃんに、福岡で目の見えない方がおられる、と伺っていて、
会いたいな、でも遠いな、と思ってました。
その、女性では?
両隣の人と手を離して舞っています。
確かな動きです。
時々、動きがフライングしてしまうことがありましたが、
周りの人はそれを排除しません。
包み込むように、その女性を中心に、穏やかに
フライングした女性の手の後を追いかけていきます。
両隣の人と手をまわしている時、隣の人がさりげなく、タイミングを
手でいざなっているのを見ました。
ずっとホールドしているのではない、必要な時に。
とたんに、涙がどっとあふれてきました。
みんなが、その女性を中心に、共に舞う姿が
舞を超えて、「愛」、「調和」とは何か、
「わの舞」を、肉体を透かしてその見えないものを見せてくれた。
それはもう、天井からの照明とは明らかに違う光を放っている。
見えない人が見せてくれる、って、逆のようで不思議ですね。
もう、涙が止まらなかった。
最初に出てくる時、手をつないで一列で出ていったのも、
その目の見えない人がちゃんとポジションにつけるように、ということだと。
その次に出てこられた千葉のむらの発表も、
最初はフィンドホーンの曲をバックに、ただ静かにみんなでつないだ手を
上方45度に上げ、おろし、を繰り返すだけのものでした。
先ほどの福岡合同むらの発表での感動とあいまって、
また、涙。。。
「ない」状態、レス、の状態は多くのものを見せてくれます。
過剰な所作は要らない。
わの舞は単純な、(でも結構奥が深くて難しい)型の舞なのですが、
とにかく、レス、レス。
伝説のバレエダンサー、ニジンスキーが狂気に陥った後、
ただ踊ったのは、
長いこと立ちつくし、そしてゆっくりと腕を大きく広げて、そしておろしただけ。
それで満足げに「踊り」を終わらせた、という。
そういえば、彼は初期の頃、「日本人」というあだ名だったそう。
また、現代コンテンポラリーダンサーの勅使河原三郎の「Luminous(ルミナス)」。
ここにロンドンの先天性全盲のスチュアートが出た。
その、美しさ。
動きが流麗なのではない、
一つ一つの動きの、いとおしさ、大切さのようなものが伝わってきた。
饒舌な勅使河原三郎のダンスより、神々しく。
スチュアートは最初、言葉を発することもなく、一人で立つこともできなかったのが、
勅使河原三郎のワークショップを受ける中で、急激に変わっていったのだそうです。
感性など、プロのダンサーでも難しいことを、学び取っていった、と。
例えば身体を何度も大回転させても平衡感覚を失わない。
勅使河原三郎自身も、真っ暗にしてやってみたけどできなかった、と。
スチュアートから受けた衝撃で、光とはなんだろう、と思ったのが
この作品を作るきっかけになったのだそうです。
スチュアートの姿が、画家クレーの描く天使のモチーフと重なる、と
勅使河原三郎は言います。
クレーも晩年、筋肉が硬化する難病にかかり、
最低限のことしかできない中で天使を描いた、と。
スチュアートは目が見えなくても自ら光を放っているのだ、と。
勅使河原三郎は、スチュアートから、ちゃんと、受け取ることができましたね。
16日、この日、残念ながら大阪で盲の男性がまた駅のホームから転落して
はねられ、死亡、という事故が起きた日でもありました。
調和して、生きるということ。
大方の人は、目が見えていても、見えていない。
そして、
聞こえる耳を持っているのに、不思議なことに、聞こえていないかのよう。。。
最近、いろいろあったので、自律神経が乱れたのか、
耳鳴りがかなり激しくなってきて大音量で、苦しんでます。
疲れていて夜眠りたくても、耳鳴りが寝かせてくれない。
頓服で睡眠薬を飲むのですが、早朝、耳鳴りの音で目が覚めたら、
もう後は眠れませんね。
耳鳴りとは小学校1年からのつきあいで、悪化する時期が2回あったのですが、これは3回目になります。
真っ暗な夜の海を、ずっと立ち泳ぎで漂流している感じで、
恐れに呑まれると溺れそうになるように、
いくどもパニック発作起こしかけます。
全国大会に参加できるのか、いやその前に、生きるのが辛い!という中での参加でした。向かうバスの中で耳鳴りからのパニック発作、起こしかけたけれど、冷たくなった手を胸に当てて、深呼吸。
これを書いている今も、大音響の耳鳴り。
でも、はた目には静かに、見えるのでしょうね。
頭の中は、すごい音鳴ってるのですけどねー。
まんが「ぼのぼの」作者のいがらしみきおさんも、
幼少時に聞こえなくなって、両耳あまり聞こえないのだそう。
両耳に補聴器つけてて、打ち上げなどには参加しないのだって。
「ぼのぼの」読んだことないのですが、出てくるラッコのとんちんかんなやりとりのおかしみとか、シュールさは、耳が聞こえないことによって得られた世界なのだそうです。
ついでに調べたら、難聴の歌手って、結構いるのですね。
多分、同様に耳鳴りにも苦しんでおられるのだろうな。
死なないと、この轟音の拷問から逃れられないのか・・・。
踊っている時は気が紛れそうなのですが、
講習受けている最中にひと際大きく鳴りだした時は「!?」と
悲しくなった。
生きるのに苦しい時に、また助け舟が来まして、
思いがけない縁あって、わの舞の方も着ることの多い、Kさんのヘンプの衣装を手に入れることができました。
これを着ると、なんだか安心、安定感がある。
実際、麻は意識レベル、1000なのだそうです。
Kさんのサイトは、「虹の天使 ヘンプ」で検索してみてください。
いただいたヘンプのタオルを耳に当てて、深呼吸していてみようかな。
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目の見えない方と共に舞うということ。わの舞全国大会。
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